園内ガイド

園内で栽培している主な品種

アンズ園

アンズはバラ科の落葉果樹でウメやスモモと近い関係にあり、ウメとアンズを掛け合わせたものは「豊後梅」と言われています。またアンズの仁(種の中の組織)は杏仁豆腐の材料として利用されます。東谷山フルーツパークのアンズ園は平成30年度にウメ園の東側に移設しました。「おひさまコット」「ニコニコット」の2品種を15本栽培しており、この2品種は生食用のアンズとして注目されています。ちなみに「ニコニコット」は豊産性で収量もあり、さらに食味もよく生産者も消費者も笑顔になるアプリコットということで「ニコニコット」と命名されました。枝にびっしりと咲く花は3月中下旬が見ごろです。


イチジク園

イチジクは漢字では「無花果」と書きます。これは実の中に小さな花をつけるため、外から見ることができないためです。また愛知県はイチジクの都道府県別の生産量が第1位でシェア率は20%を誇っています。東谷山フルーツパークのイチジク園は南北2か所にあります。主な栽培品種はスーパーで販売されていることの多い「桝井ドーフィン」をはじめ「ホワイトゼノア」、「早生日本種(蓬莱柿)」など4品種で約70本を栽培しています。また「一文字仕立て」と呼ばれるイチジク特有の仕立て方も見どころの一つです。


ウメ園

ウメには大きく分けて「花ウメ」と「実ウメ」の2種類があります。「花ウメ」はより美しい花を観賞できるように品種改良されたウメで開花時期は1月~2月頃、「実ウメ」はより高品質な実が収穫できるように品種改良されたもので開花時期は2月~3月頃になります。しかし「花ウメ」だから実が収穫できない、「実ウメ」だから花が美しくないということではありません。東谷山フルーツパークのウメ園はナシ園に次ぐ広さ(カキ園と同等)を誇っており、「南高」や「白加賀」、「鶯宿」、「小梅」など13品種で約70本を栽培しています。5月下旬~6月頃、収量の見込める土・日曜日には収穫体験を実施します。




カキ園


カキは甘柿と渋柿に分けられることは有名です。種子に関係なく樹上で自然に脱渋して甘くなるものを「完全甘柿」、種子ができることで脱渋して甘くなるものを「不完全甘柿」といいます。また種子ができても一部しか脱渋せずに大部分に渋みが残るものを「不完全渋柿」、種子に関係なく樹上では脱渋しないものを「完全渋柿」といいます。渋味成分である
タンニンが固まってゴマが出てきたら脱渋している証拠です。東谷山フルーツパークのカキ園は山のような斜面の土地に完全甘柿の「富裕」や「次郎」、不完全甘柿の「西村早生」や「禅寺丸」、完全渋柿の「愛宕」や「市田柿」など17品種で約80本を栽培しています。また10月下旬~11月頃、収量の見込める土・日曜日には収穫体験を実施します。




カリン園


カリンは果実としてだけでなく庭木としても人気です。3月~4月上旬にピンク色のきれいな花を咲かせ、秋深くなると黄色の果実をつけます。完熟したカリンの果実は特有の芳香を漂わせます。しかし生食には適していないため咳止め用のシロップなど加工用として利用されます。またカリンとよく似たものにマルメロがあります。カリンの表皮はツルツルしているのに対してマルメロは短いうぶ毛が生えているので見分けることができます。東谷山フルーツパークのカリン園は園内では最小の果樹園です。栽培品種は、伊那カリン、在来カリン、スミルナ(マルメロ)の3品種で5本を栽培しています。


キウイ園

キウイフルーツはマタタビ科マタタビ属のつる性落葉果樹です。生産地としてはニュージーランドが有名ですが、原産地は中国になります。キウイには雄木と雌木があり、どちらか1本では実をつけることができません。またキウイと言ったら緑色のイメージですが、最近ではより糖度の高い黄色品種や赤色品種が主流になりつつあります。そんなキウイフルーツはニュージーランドに住んでいる翼のない茶褐色の鳥「キーウィバード」に似ているのでこの名前がつけられました。東谷山フルーツパークでの主な栽培品種としては、緑色品種の「香緑」、黄色品種の「センセーションアップル」や「ジャンボイエロー」、赤色品種の「レッドプリンセス」や「紅妃」、雄木の「トムリ」や「孫悟空」など11品種で約30本を栽培しています。


クリ園

クリはブナ科クリ属の落葉果樹です。花は雌雄異花で5月~6月に開花します。雄花はクリーム色の穂状で群生している様子はまるで滝のように迫力があります。実は9月~10月に成熟し、棘のある外皮に包まれているものが一般的ですが、中には棘のない外皮に包まれている「トゲなし栗」という品種もあります。東谷山フルーツパークのクリ園は南北2か所に別れています。主な栽培品種は前述の「トゲなし栗」の他に「ぽろたん」や「森早生」など11品種で約25本を栽培しています。(クルミを含む)




スモモ園


スモモはウメやアンズ、モモと同じくバラ科の植物です。3月下旬~4月上旬に美しい白色の花を咲かせ6月下旬頃から収穫できます。ちなみに名前の由来は酸味が強く酸っぱいのでスモモとなった説が有力です。しかし最近では「貴陽」など糖度が高く生食に適した品種も多くあります。東谷山フルーツパークでは既存のスモモ園と平成30年度に新植されたスモモ園の2か所あります。スモモの代表品種である「ソルダム」や前出の「貴陽」、新植されたスモモ園では「太陽」など合わせて8品種で約30本を栽培しています。


ナシ園

ナシの系統は大きく別けて3つあります。日本で一般的にナシと呼ばれており、東谷山フルーツパークで栽培しているのは「日本ナシ」で他には「西洋ナシ」と「中国ナシ」があります。「日本ナシ」には「赤ナシ」と「青ナシ」があり、それぞれ「幸水」と「二十世紀」が代表品種です。「日本ナシ」の開花期は4月上中旬で棚一面、白い花をびっしりと咲かせる様子は壮大な景観です。果実は早いものでは8月中旬頃から収穫が始まり11月頃まで続きます。また守山区や尾張旭市はマメナシの自生地としても有名です。東谷山フルーツパークのナシ園は園内の果樹園の中では最大級の広さを誇っており、「幸水」や「豊水」、「新高」など11品種で約90本を栽培しています。また8月~9月頃、収量の見込める土・日曜日には収穫体験を実施します。





ビワ園


ビワはバラ科の常緑果樹です。リンゴやナシなど多くの落葉果樹の生育サイクルは春に開花して夏から秋に収穫となりますが、それらとは異なり11月~2月頃に開花して6月頃に収穫します。ちなみにビワの名前の由来は、葉や実の形が楽器の琵琶に似ているからという説が有力です。東谷山フルーツパークのビワ園では代表品種である「茂木」、「田中」、「長崎早生」のほか、新たにモモ園の一部を令和元年度にビワ園として改植し、新品種の「なつたより」を植栽しました。2つのビワ園で4品種、約30本を栽培しています。


ブドウ園

ブドウはブドウ科のつる性落葉果樹です。日本では生食されることが多いブドウですが、実は世界の生産量の8割以上はワイン用品種のブドウです。またブドウは雨や湿度に弱いので棚の上に屋根を付ける雨よけ栽培が主流です。当園でも平成30年度より雨よけ栽培に取組んだ結果、品質・収量ともに飛躍的に向上しました。ブドウの代表品種の「巨峰」や「ピオーネ」の他に遺伝学のメンデルが品種改良した「メンデルのブドウ」や流行りの「シャインマスカット」など17品種で約30本を栽培しています。





ブルーベリー園


ブルーベリーはツツジ科の落葉低木果樹です。春にはドウダンツツジに似た花を咲かせ、夏に青紫色の実をつけます。そして秋になると綺麗に紅葉します。冬には落葉して、春にまた新芽が伸び始めるというサイクルになります。またブルーベリーは大きく3種類の系統に別けられます。「ローブッシュ系」、「ハイブッシュ系」、「ラビットアイ系」です。東谷山フルーツパークで栽培しているのは「ラビットアイ系」で実が熟す前にウサギの目のように赤くなるのが特徴です。ブルーベリー園には100本以上植栽されており、7月下旬~8月下旬の収量の見込める水・土・日曜日には収穫体験を実施します。




ポポー園


ポポーはバンレイシ科の熱帯果樹です。しかし耐寒性が強いので日本でも露地栽培することができます。、最近では別名「森のカスタードクリーム」と注目され品種改良も進んでいますが、その歴史は意外にも古く昭和30年前後には「バナナとパイナップルをミックスしたような美味な果実」と紹介され実生苗が流通していました。開花期は4月中旬~5月上旬で茶色の花を咲かせます。その後9月頃に収穫期を迎えます。東谷山フルーツパークのポポー園は平成30年度にウメ園から改植され「スイートアリス」や「ウェールズ」等4品種で10本を栽培しています。


ミカン園

ミカンはミカン科の常緑果樹です。日本で一般的にミカンと言われるのは「温州ミカン」です。東谷山フルーツパークでは温州ミカンの「日南の姫」や「宮川早生」、「青島温州」の他にオレンジの「大三島ネーブル」やタンゴールの「不知火」、一番大きなカンキツ類の「晩白柚」など多種多様なカンキツ類を23品種で約150本栽培しています。またミカン園以外の植樹帯にも「キンカン」や「夏ミカン」、「獅子柚子」など様々なカンキツ類が植栽されています。10月中旬、収量の見込める土・日曜日には収穫体験を実施します。


モモ園

モモはバラ科の落葉果樹です。開花期は3月下旬~4月上旬でピンク色のかわいらしい花を咲かせます。またモモは白肉種の白桃と黄肉種の黄桃に別けられます。白桃が主として生食されるのに対し、黄桃は缶詰など加工用として利用されることが多いです。東谷山フルーツパークでは白桃の代表品種である「日川白鳳」や毛のないモモ「ネクタリン」、孫悟空が食べたとされる平べったい形のモモ「蟠桃」、モモの仲間「アーモンド」など17品種で約60本を栽培しています。




リンゴ園


リンゴはバラ科の落葉果樹です。開花期は4月下旬~5月上旬で白い花を咲かせます。東谷山フルーツパークではリンゴの代表品種である「フジ」や「王林」、流行りの「シナノスイート」、姫リンゴの「アルプス乙女」、ニュートンが万有引力を発見したと言われている「ニュートンのリンゴの木」など26品種で約120本を栽培しています。収穫期である9月~11月頃、収量の見込める土・日曜日には収穫体験を実施します。また、リンゴ園の東側にある芝生広場は、園内で最も高い位置にあり開花期に上からリンゴの花を見下ろすととてもきれいです。


レモン園

ふるさとナゴヤレモン園は東谷山フルーツパークの17個目の果樹園として、ポッカサッポロフード&ビバレッジ株式会社の協力を得て2018年12月に開園しました。露地栽培の他にビニール温室も備えています。また入口ではレモンの忍者「レモンじゃ」が待っています。ふるさとナゴヤレモン園では「ラフマイヤー」や「璃の香」など約60本のレモンが栽培されています。